だから池月第16号

池月バンザイ

池月はいい出会いの場

 チラシ、パッケージなど様々な企業をサポートするグラフィックデザイナーの西田江里さん。

 ※「池月純米吟醸 一青」のラベル及びポスターのデザインを手がけてくださったのは西田さんです。「池月」との出会いは、学生時代からの大親友の「イベントがあるけど、どう?」との何気ない一言がきっかけ。それが「池月」特約店の企画・主催する「池月 秋の宴」だった。10年前のこと。その時の印象は「会の雰囲気がとにかく良くて、足を運ぶだけのおいしさと楽しさ、嬉しさの三拍子がそろっているイベントです」といい、その後、毎年参加するようになり「ほぼ皆勤賞ものですよ」と笑顔で話す西田さん。

お酒の不思議さに感動

酒造りはお人柄から

 「秋の宴」では「同じお酒を飲みながら、いろんな方々と気軽にお話ができる楽しさや、お酒の魅力や蔵元さんのお話など話題は尽きません」と、西田さんは日本酒への興味も沸いていったという。例えば「それまでは料理に合うお酒という感覚もなかったし、同じお酒でも冷や・常温・お燗によって味わいが劇的に変わるなど、どれも発見の連続でとても楽しいですね」といい「お燗をしたとき、お酒がチョコレートのような味わいになったり、日本酒って不思議な飲み物ですね」と、西田さんの探求心をくすぐる。また、これまで蔵の方たちの話を聞く機会もなかったが「杜氏さんや社長さんの話を聞きながら飲むと、お人柄に触れたようでお酒がどんどん美味しくなってきます」と、西田さんの言葉からお酒は味だけではないようだ。

蔵元の風景も味わいに

心豊かな感性も味わいに

 数年前から、毎年2月に開催される「池月蔵見学会」にも積極的に参加している。「蔵元に向かう車中での池月物語だったり、蔵元の佇まいであったり、酒造りの道具を目にしたり、蔵内の華やかな香りを感じたり、湯気の中での蔵元さんの汗だったり、その一つ一つの風景が味わいに深みを添えてくれます。ここで、このお酒ができているんだと思うと楽しさは何倍にも膨れ上がります」と言う西田さんのと心豊かな感性に触れた。

思いや姿勢を大切に

素敵な杜氏さん

 一番印象に残っていることとして、杜氏さんのお話の中で「常に飲む人を考えた酒造りに心がけていて、今に満足することなく『自分に足りないもの』を見つけて一生懸命に酒造りに向かっていることを知り、私も諸先輩を見て聞いて、時に叱られながら学ぶ。そこが一緒のように感じました」といい「そんな杜氏さんの背中と、私が今仕事をしている中で一番大切にしていることが素敵だなって、ますます池月が大好きになりました」と、西田さんの素直な気持ちや感性はますます生かされていくものと感じた。

聞き手 谷澤 雅視