だから池月 第20号

池月バンザイ

池月は口に合う

 北陸は全国でも屈指の日本酒処ですが、「池月」に出会うまで”美味しい”と思ったことがなかった。若いころは、もっぱらバーボンのロックを口にし、日本酒は「縁遠いもの」だったですね。

 イベントの舞台設置などで各地に行く機会も多く、飲む機会も少なくありません。その土地土地

の地酒も口にしますが、それぞれおいしいとは思いますが私には「池月」が一番口に合っていると思っています。家に帰って飲む「池月」は至福のひとときですから。

常温で飲むのが好き

 お酒そのものだったは強いため量は飲めない分、少しいいものを楽しんでいます。「池月」にもたくさん種類はありますが、私は「みなもにうかぶ月」と「大吟醸酒」を飲んでいます。家では、毎晩ぐい呑みグラス一杯を30分以上かけてゆっくりと今日一日のことを思いながら楽しむというのが日課になっています。だから、一生びんが空くのに20日ほどかかります。安上りですよね。身体も健康そのものですよ。(笑)飲み方としては、もともとお燗がダメで冷やは味がわかりづらくてもったいないような気がして、いつも常温でいただいています。常温ですと、香りも味わいも良くわかり本来の旨みが感じられますので好きなんです。「みなもにうかぶ月」は、口当たりがスッキリしていますが甘みや辛みのバランスが絶妙で、時間が経ってもくずれず美味しくて飲めるのがいいでしょうね。

社内で池月ファンクラブ

 基本的に人が喜ぶことが好きで事あるごとに「池月」を持って行ったり贈ったりしています。社交辞令を含めても、「池月」は合わない人はひとりもいないですよ。(笑)また社内で池月ファンクラブ(自称)をつくり池月を飲む会と称して「池月」取扱いのお店を廻っては楽しんでいますが、お店が尽きてきています。もっと「池月」を広めてほしいと思います。

楽しい会話で長居

 「池月」は限りられたお酒屋さんにしか置かれていないため、私は会話が楽しい伸栄館さんに足を運びます。伸栄館さんに行くと短くても30分長かったら1時間以上居座ってしまうのですが、お酒だけではなく蔵元さんや杜氏さんなど酒の肴としてはとても楽しい話が聞けますので大好きなお店です。

酒は人柄を表す

 毎年秋に行われる「秋の宴」(伸栄館主催)はいつも楽しみにしています。毎回、趣味を凝らした内容も興味深いですし、池月ファンが集まって飲む酒は格別です。特に、川井杜氏さんが参加された時はとても嬉しく、この人ならではの酒と納得したものです。酒は人柄が出るものだと増々「池月」が好きになりました。川井杜氏さんは若いですが、一本筋の通った頑なな”自分”を持っておられます。これからも川井杜氏さんの語る”池月”を楽しみにしています。

次世代に日本酒を

 さまざまな舞台のお手伝いをしていますが、伝統や文化にも携わることも多々あります。重要無形文化財の能楽や歌舞伎は連綿と続くと思いますが、演歌や民謡など大衆の生活から生まれたものは時代変化の影響によって変わっていきます。日本酒もまた若い方からの”離れ”という話も聞きます。日本の生活習慣の中で育まれてきた日本酒を次世代につなげるこも大切だと考えます。

価値・蓄積・芯

 舞台の仕事というものは基本値段がありません。いわば価値が値段となります。いいものをつくることで次のチャンスをいただけます。モノづくりは蓄積が大事で常に安定したものを提供することです。そこに、芯が通っていれば支えてくださる方は必ず存在します。

 手造りの小さな酒蔵が勝ち残ることで日本酒の話題も広がり、個々に切磋琢磨することで日本酒も飲み続けられていくものだと思います。

                                 インタビュアー

谷澤 雅視  瀬戸 伸夫