だから池月第24号

池月バンザイ

 今回の「池月バンザイ」に登場してくださった米島鶴子さん(金沢市)は、とにかく笑顔の優しい明るいお人柄で、一緒にいるだけで心が和んで時間を忘れて話し込み、米島さんへのご迷惑も思い浮かばないほど長居をしてしまった。それでも、まだ話したらないほどのとても素晴らしい出会いだった。

加賀伝統を守る

染色補正業営む

 米島鶴子さんは、金沢の伝統的工芸品の加賀友禅の染色補正業「米島染色補正店」(代表米島芳廣さん)の奥さま。ご主人の芳廣さんは、染色補正技能士(1級)で2代にわたって加賀友禅を支えている。長年、日本の良き伝統文化に携わり世代を超えて”着物”の良さを伝え続けている。

初めての感覚

お人柄も味に

「池月」との出会いについて「息子の結婚式でいただいた時の『池月』がとにかく美味しかったですね。お酒はあまり口にしないですが、初めての感覚ですね」と米島さん。その後、「池月」のお酒造りにも興味が湧き、おさけやさん西本が企画する「蔵見学バスツアー」(平成22年)にご夫婦で参加。以来、毎年欠かさず蔵見学を楽しみにしているという。「酒造りの奥深さはもちろん、出来立てのお酒の味、蔵元さんの思いや苦労など、『ものつくりには心が大切』『造り手のお人柄も味を引き立てる』ことも再認識できます」と、染色補正の仕事との共通点も多いと話す。

酒・食・人満喫

皆さんが優しい

 蔵見学バスツアーは、蔵元の酒造りや新酒の出来栄えが味わえるほか、能登の味覚も楽しめることから、毎年楽しみにしている人も少なくない。おさけやさん西本の西本邦子さんは「より多くの方に参加してほしい気持ちはありますが、毎年参加してくださる方が多いです。それが池月の魅力と考えればとても嬉しいですね」と、数日で締め切られるほどの人気ツアー。「顔見知りも多く、アットホームな雰囲気も魅力ですね。池月を好む方は皆さん優しくしてくださる人ばかり。池月のお酒が人を優しくしてくれるのでしょうね」と米島さんは池月がつなぐ人の和に感謝しているという。

最高のおもてなし

素敵なひととき

 また、秋に開かれる「秋の宴」にも毎年参加されて「いつも楽しみにしています。美味しい池月と美味しい料理が堪能できる最高のおもてなしです。加えて、家族的な雰囲気の人の集まりに温かさを頂いています。川井杜氏さんも来ていただいて大盛り上がりです。本当に素敵なひとときです」と、いつも感謝の気持ちを持ち合わせて、人の優しさが人一倍に感じ取れる米島さんを取材できたことに感謝している。

 インタビュアー 谷澤 雅視


加賀友禅とは…

 金沢の伝統工芸品の加賀友禅。日本の着物の染色技法である友禅のひとつで、京友禅の創始者と言われている絵師の宮崎友禅斎が晩年、金沢に身を寄せ、加賀御国染に大胆な意匠を持ち込んで確立した染色技法。加賀五彩(藍、臙脂、草、黄土、古代紫)と呼ばれる艶麗な色彩で知られている。

池月応援バスツアー2020開催報告

 去る2月16日、おさけやさん西本主催の「池月応援バスツアー2020」が開催されました。酒造りも終盤を迎えた鳥屋酒造に池月ファン30人とともに訪れた。事務所で出迎えてくれた川合社長をはじめ、田中専務さんと敞田さんの笑顔を拝見し、また蔵内の新酒の華やかな香りに包まれて一行のテンションもヒートアップ。

◆川合喜好社長

 日頃は、「池月」をご愛飲くださり、また応援いただきまして誠にありがとうございます。今年は暖冬で厳しい環境ではありましたが、例年らしく出来だと思っております。本日は、今年の新酒を堪能していただければと思います。ごご訪問ありがとうございます。

 

新酒の出来栄えに出会う。

 試飲は、普通酒・本醸造酒・純米酒・吟醸酒・純米吟醸酒の5種。全体的に、すっきりとした呑み飽きしない酒質に仕上がっていて、洗練されたされた「池月」という印象を強く感じさせた。「どの酒も甲乙つけがたい良い酒だね」「普通酒のレベルの高さは池月ならでは」「これまでより吟香がよく華やかさを出している」「味わいとしての線がスリムになったよう」「原酒なのにスイスイ入る」「美味しい肴が欲しいね」など、池月をよく知る皆様は思い思いを口にし、笑顔が絶えない賑わいだった。中には、蔵見学が初めてというお客様もいて、酒造りに関する精米歩合や麹造り、酒米と飯米の違いなど、いろんな質問もされていた。

 準備された試飲用のお酒は、ほぼ空の状態になるまで新酒を堪能していた。お客様の中には新酒はもちろん、酒粕を求める方も少なくなかった。

 その後、羽咋の料理旅館「大社庵」にて海の幸と「池月」のお酒を満喫。能登國一宮・気多大社を参拝し、道の駅「のと千里浜」に立ち寄ったあと帰路に就く。

酒のモリヘイ 酒蔵見学開催

 2月20日(木)定休日に毎年恒例お客様をお連れしての酒蔵見学、池月の鳥屋酒造に行ってきました。麹の甘い香りがいっぱいに漂う酒造りの現場で、川井杜氏から直にいろんな苦労や工夫のあこがれをお話しいただき、ここでしか味わえない出来立てしぼりたてのお酒を何種類も試飲をさせていただきました。


蔵の近況報告

川井大樹杜氏

 年初に、搾り機に不具合が生じて純米酒の搾りが3日間遅れるアクシデントがありました。その為香りは出ているものの、味わいとしては少し辛口に仕上がった感があります。

 以降の搾りについては、ジャッキアップ器具を使用し3時間おきに圧調整の作業(10分程度)を行いながら、慎重に搾っております。

 今年は製麹の作業を見直したためか、香りに関しては例年よりよく出ていると感じます。しかし、全国的に酒米の出来は良くなくて、気温も高めで非常に難しい年でしたが、蔵人の努力と運にも恵まれ、何とか皆様に喜んでいただける新酒ができました。